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【10/3記者会見動画・質疑応答】ドイツLANXESS社のウレタンシステムズ事業の取得について
2024/10/07 IRニュース買収の経緯・目的
Q:本件買収はどのような経緯で開始されたのか
A:LANXESS社が2023年11月に買収対象事業の売却を発表したことを受け、検討を開始した。
Q:同社の売却発表以前から買収対象事業に興味を持っていたのか、それとも同発表を受け北米における新プラント建設(DMC・EMC事業)との関連性を考慮して決めたのか。
A:買収の検討を開始したのは売却方針を聞いてからだが、同社とは過去から取引があり、事業として非常に魅力を感じていた。
Q:今後はC1ケミカルチェーンを成長ドライバーの中核と位置付けるということか。
A:C1ケミカルチェーンはスペシャリティ化学における成長のドライバーの1つだが、ポリイミドや分離膜、セラミックスにおいても成長戦略に沿った形で投資を進めていく。
Q:本件買収によるシナジーとはどのようなものか。
A:買収対象事業はUBEグループの手掛けるPCD事業の川下・周辺の領域にあたり、両社の技術・人財・マーケット・顧客を組み合わせることで、ともに拡大できると考えている。またUBEグループで手薄となっている北米市場を中心とすることも魅力である。
Q:UBEグループはこれまでもPCDやPUDは自社で拡大戦略を取ってきたが、それを上回るシナジー効果があるとの理解でいいか。
A:開発期間等が必要だが、その通りである。
Q:買収対象事業の売上高の成長率を、年率でどの程度と見込むか。
A:米国を主力市場とし幅広い用途に販売しているため、米国経済成長率+α、つまり年率4-5%程度で成長すると見ている。
Q:特に成長を期待している用途は何か。
A:半導体製造装置向けなどに期待している。
Q:買収対象事業では、「化学産業」や「モビリティ」、「食品、ヘルスケア、消費財」向けの成長率が高い一方、「エネルギー・天然資源」向けの成長率が低いと理解で良いか。
A:その通り。脱炭素化に伴い資源開発が停滞すると想定される。
Q:買収対象事業の有する環境対応グレードとは「エネルギー・天然資源産業」と関係するのか。
A:環境対応グレードとは、イソシアネートの残留濃度を最小化したもの。「エネルギー・天然資源産業」とは関係がない。
Q:買収対象事業では有害性のあるイソシアネートを製造していないという説明だが、すなわち環境問題に関する将来の訴訟リスクはないと理解してよいか。
A:そうしたリスクは低いと考えている。
Q:北米で電気自動車市場が減速している。PCDはDMCの川下にあたるため、本件買収は北米における新プラント建設(リチウムイオン電池の電解液向けDMC・EMC事業)にとって、電気自動車減速に対するリスクヘッジにもなるとの理解でいいか。
A:本件買収がリスクヘッジになる可能性はあるが、それが買収の目的ではない。またDMCはコスト競争力があるため、電気自動車市場が減速しても一定の採算を確保できると考えている。
Q:今後は買収対象事業の統合を進めていくとの認識だが、ロードマップはあるか。
A:2年程度をかけ、PMIを着実に進めたい。
Q:シェアが高まることで、競争法上の問題が生じることはないか。
A:現時点では問題になるとは考えていない。
業績・財務
Q:売上高やEBITDAについて、過去からの推移と今後の成長見込みを教えてほしい。
A:買収対象事業はLANXESS社から分離(カーブアウト)するため過去の実績は公表できないものの、最終用途が様々な産業にわたるため、米国の経済成長率と同程度で安定的に成長すると見ている。
Q:LANXESS社は買収対象事業の直近12ヶ月のEBITDAを40百万€と公表している一方で、UBEの発表では2024年12月期のEBITDAは50百万€とされている。下期に対前年で大きく成長する想定だが、その要因は何か。
A:昨年の欧州の化学業界は厳しい状況にあったが、今年は回復傾向にある。また、半導体製造装置向けなど成長分野の伸びが貢献している。
Q:本件買収に伴う無形固定資産の計上金額および買収対象事業の純資産額はどの程度か。
A:現時点では回答しかねる。
Q:のれんの償却が発生するが、営業黒字化はいつ頃を見込んでいるのか。
A:(買収完了後の)2025年度の償却開始後から黒字化が可能であると考えている。
Q:北米新プラント建設に関する投資もあり、現中計はキャッシュアウトが大きくなる。財務体質の変化をどのように認識しているか。
A:財務に負担はかかるが、5年程度のスパンで見れば、今後の利益やキャッシュフローの創出で取り返すことができると考えている。
Q:資金調達のために、事業売却を進める可能性はあるか。
A:現時点でそのような考えはない。