宇部興産株式会社（社長：泉原雅人）は、山口県宇部市の宇部ケミカル工場敷地内に新設した第五医薬品工場で、少量・高薬理活性原薬の製造設備の本格運転を開始しましたので、お知らせいたします。

第五医薬品工場は少量・高薬理活性の原薬製造に特化しており、2021年5月に完成後、試運転などを行ってまいりました。9月末より、高薬理活性原薬の本格生産を行います。

近年、医薬品市場におきまして、オンコロジー領域での治療の個別化、オーファンドラッグの需要の高まりなどを受け、アンメットメディカルニーズ向けの医薬品の開発が活発化しております。また、抗体薬物複合体（ADC）の開発など医薬品の多様化が進んでおり、薬理活性の強い少量原薬の需要が高まっております。宇部興産はこれまで、既設の第四医薬品工場（反応槽容量8m³）や治験薬工場（反応槽容量2m³）において高薬理活性原薬（OEL≧1µg/m³）*を製造受託し、市場に供給してまいりましたが、新設した第五医薬品工場により、より薬理活性の強い少量・高薬理活性原薬（OEL≧0.1µg/m³）の製造が可能となりました。今回の生産体制の強化により、より幅広いニーズに対し、開発から商用生産まで一貫して対応してまいります。

宇部興産の医薬事業は、技術革新にあふれた「クスリづくり」を地域から発信し、すべての人々の健康に貢献することを目指しています。これからも医療に貢献するため、自社／共同研究開発による「創薬」と「原薬・中間体製造」を両輪として新しい医薬品の種となる化合物を創出してまいります。

*OEL：取り扱うハザード物質が空気中に浮遊する雰囲気で、作業員の身体に何ら影響を及ぼさない濃度

新工場の概要

外観