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産学官協働で希薄な濃度に対応可能なCO2回収・資源化プロセス確立に向けた技術開発と実用化を加速
2020/09/09 ニュースリリース国立大学法人 東京大学、国立大学法人 大阪大学、国立研究開発法人 理化学研究所、宇部興産株式会社、清水建設株式会社、千代田化工建設株式会社、古河電気工業株式会社(以下「共同研究者」)は共同で、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ムーンショット型研究開発事業/2050年までに、地球再生に向けた持続可能な資源循環を実現」に係る公募に対し、「電気化学プロセスを主体とする革新的CO2大量資源化システムの開発」プロジェクトを提案し、採択されましたのでお知らせ致します。
1. 概要
社会活動により生じる温室効果ガスの中でもCO2が占める割合は非常に高く、地球環境の保全のためには、さらなる温室効果ガス削減が必要です。日本は、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」(2019年6月11日閣議決定)において、2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減に取り組むことを宣言しており、温室効果ガスの削減は、緊急対策が必要な地球規模の大きな問題であります。
また、2019年に示された「カーボンリサイクル技術ロードマップ(2019.06経済産業省)」においては、CO2を資源として捉え、有効利用する「カーボンリサイクル技術」を通して、排出量を抑制する方針が示されており、革新的な技術開発が求められています。
このような状況において、NEDOは、ムーンショット目標4「2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現」の達成を目指す研究開発プロジェクトに着手し、共同研究者が、本研究開発事業の委託先として採択*されました。
本事業の委託期間は2020年度から2029年度の最大10年間の計画です。電気化学技術を主体とし、400ppm~15%程度の幅広い濃度範囲の気体中CO2濃度に対応し、かつ分散配置が可能なCO2回収・有用化学原料への還元資源化プロセスの開発を目指します。
具体的には、大気中に放散された希薄なCO2および放散される前のCO2を回収して、再生可能エネルギーを駆動力として、電気化学的に富化/還元し、有用化学原料を生成するプロセスまでの統合システムを開発し、カーボンリサイクルの基盤を構築します。
共同研究者は、今回の事業採択を受け、希薄な濃度に対応可能なCO2回収・資源化に係る革新的技術を産学官の協働により開発するとともに、統合システムの実用化と普及に向けた取り組みを加速します。
2. 事業内容
研究開発プロジェクト名
「電気化学プロセスを主体とする革新的CO2大量資源化システムの開発」
プロジェクトマネージャー
- 教授 杉山 正和
- 国立大学法人東京大学先端科学技術研究センター
研究開発項目(予定)
- ①-1:CO2 回収・富化/物理吸着法
- ①-2:CO2 回収・富化/電気化学法
- ②-1:CO2 電解還元/材料開発
- ②-2:CO2 電解還元/電解リアクター
- ③-1:統合システム制御・特性解析・LCA評価
- ③-2:反応プロセス開発・プロセス統合
委託先(順不同) | 担当開発項目 | |
---|---|---|
国立大学法人 東京大学 | 総長 : 五神 真 | 開発項目 ③-1 |
国立大学法人 大阪大学 | 総長 : 西尾 章治郎 | 開発項目 ①-2、②-2 |
国立研究開発法人 理化学研究所 | 外部資金室長 : 高山 宏 | 開発項目 ②-2 |
宇部興産株式会社 | 代表取締役社長 : 泉原 雅人 | 開発項目 ②-1 |
清水建設株式会社 | 取締役社長 : 井上 和幸 | 開発項目 ①-1 |
千代田化工建設株式会社 | 代表取締役社長 : 山東 理二 | 開発項目 ③-2 |
古河電気工業株式会社 | 代表取締役社長 : 小林 敬一 | 開発項目 ②-1 |
開発を目指すシステム概念図
事業期間
2020年度から最大10年間
* 2020年8月26日リリース
地球環境再生を目指すムーンショット目標で13件の研究開発プロジェクトを採択
お問い合わせ先
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