社会 人権の尊重

指針・基本的な考え方

人権尊重への取り組み

UBEグループは、2030年の目指す姿を描いた「Vision UBE 2030 Transformation ~1st Stage~」で掲げる「地球環境と人々の健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学を中核とする企業グループ」の実現に向け、UBE経営理念、パーパス、UBE経営方針に基づき、人権を尊重した企業活動を行っていくための指針として、「UBEグループ人権指針」を定めています。

また、UBEグループの「私達の行動指針」では、すべての人の人格、個性など個人の尊厳を尊重し、相互理解に努め、性別、国籍、人種、障がい、年齢、社会的身分、宗教、信条、性的指向等による差別をしないことを定めています。また、強制労働、児童労働、人身売買を含むすべての非人道的行為を自ら行わないことはもちろん、そのような行為を行っている個人、団体とは一切関わりをもたないことを明記しています。

今後も当社グループに関わるすべての方々の人権を尊重し、企業の社会的責任を果たし続けるべく積極的な取り組みを進めてまいります。

UBEグループ人権指針

UBEグループは、「人権の尊重」を企業活動の基本に据え、企業活動のグローバル化に伴い、各国・各地域の法令、社会規範を遵守するとともに、「世界人権宣言」や「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言」など、人権に関する国際規範を支持・尊重します。また、企業活動に伴う人権への負の影響の早期発見と防止、軽減並びに適切な措置を講じ、企業としての社会的責任を果たします。

本指針の位置づけと適用範囲

本指針は、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠し、UBE経営理念、UBE経営方針に基づき、人権を尊重した企業活動を行っていくうえで「私達の行動指針」とともに指針となるものです。本指針はUBEグループのすべての役員・社員に対して適用されます。また、UBEグループのすべてのビジネスパートナー並びにサプライチェーン全体、その他事業活動におけるすべての関係者に対して、本指針の原則に沿った行動と人権の尊重を推進します。

人権の尊重

UBEグループは、すべての人の基本的人権を尊重し、人々が安全で平和な暮らしができるよう努めます。また、事業に関連するすべてのステークホルダーに対しても、人権を尊重し、権利侵害しないように求め、間接的にも人権侵害に加担することのないよう努めます。

差別の禁止

UBEグループは、性別、国籍、民族、人種、障がいの有無、健康状態、年齢、社会的身分、家庭環境、宗教、信条、性自認、性的指向、雇用形態の違い等に基づくあらゆる差別を行いません。

ハラスメントの禁止

UBEグループは、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、マタニティーハラスメントをはじめとする、個人の尊厳を傷つけるいかなるハラスメント行為も行いません。

労働者の権利

UBEグループは、結社の自由や団体交渉の権利など、労働者の基本的権利を尊重します。あらゆる形態の強制労働、児童労働を許しません。また、UBEグループが事業活動を行う国や地域で適用される法令を遵守し、職場の労働安全衛生、生活賃金にも配慮した公正かつ適正な賃金、適正な労働時間管理など、責任ある労働慣行の実践に努めます。

教育

UBEグループは、役員・社員全員が人権についての正しい理解と認識を持つよう、適切な人権教育を行います。

人権デューディリジェンス

UBEグループは、人権尊重の責任を果たすため、「ビジネスと人権に関する指導原則」で示された「人権デューディリジェンス」の考え方に基づき、企業活動による人権に対する負の影響を特定し、それを防止、軽減する取り組みを進めます。また、企業活動において人権への負の影響が生じた場合には、適切かつ効果的な救済措置を講じるよう努めます。加えて、サプライチェーンにおいて人権への負の影響が生じている場合には、是正に向けた働きかけを行います。

人権侵害が発生した時の対応

UBEグループは、人権侵害が明らかになった場合は、速やかに人権にもたらされた侵害を除去し、是正のための対策を講じ、あるいは社内外の支援を得て対策に協力します。また、人権課題の早期発見と是正を可能にするため、通報窓口を適切に運用するとともに、実効性ある仕組みづくりに継続して取り組みます。

エンゲージメント

UBEグループは、さまざまな形で内部および外部からの人権に関する専門知識を活用し、私たちを取り巻く人権課題について、継続的にステークホルダーとの対話を行い、人権への取り組みを進化させていきます。

UBE株式会社
代表取締役社長 泉原 雅人

国連グローバル・コンパクトへの支持

当社は、2021年4月に「国連グローバル・コンパクト」に署名し、その原則を支持しています。

また、日本におけるローカルネットワークである「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン」へ加入し、会員企業・団体が主体となって行われているテーマ別の分科会活動のうち「ヒューマンライツデューデリジェンス分科会」、「人権教育分科会」に参加することで人権尊重への取り組みをより一層強化していきます。

法務省「Myじんけん宣言」プロジェクトに賛同

当社は2021年8月、法務省が推進する「Myじんけん宣言」プロジェクトの趣旨に賛同し「Myじんけん宣言」を公表いたしました。
「Myじんけん宣言」とは、企業、団体および個人が人権を尊重する行動をとることを宣言することによって、誰もが人権を尊重し合う社会の実現を目指す法務省の取り組みです。

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    宣言文を手に、UBE株式会社 代表取締役社長 泉原雅人
  • Myじんけん宣言
    UBEグループの「Myじんけん宣言」

マネジメント体制

人財・人権委員会

UBEグループ全体で人財マネジメント、人権尊重、人権デューディリジェンスの推進をさらに強化するため、2024年4月より、人事部担当役員およびサステナビリティ推進部担当役員を責任者とする人財・人権委員会を設置し、CEOが議長の経営会議(サステナビリティ委員会)への審議・報告を行っています。

人財・人権委員会は、UBEグループ横断的な組織をもって人財マネジメント、人権尊重、人権デューディリジェンスに関わるUBEグループのリスクを特定し、対応方針を審議・決定するとともに目標設定を行い、管理・推進を行っています。

人権尊重推進マネジメント運営体制図
人的資本マネジメント運営体制

目標と実績

人権デューディリジェンスの取り組み

UBEグループは人権尊重の責任を果たすため、企業活動による人権に対する負の影響を特定し、それを防止、軽減する活動を進めます。具体的には下記のプロセスに基づいて進めております。なお、昨今の人権に関する世界的な情勢は著しく変化し、社会から企業へ期待される人権対策はプロセス策定時より拡大していることから、現在のプロセス、社内体制を発展的にグレードアップさせる方向で社内検討を進めています。

人権デューディリジェンスプロセス

人権デューディリジェンスの実施状況

1. 外部機関によるグループ会社の人権リスクのデスクトップ調査

2021年、当社を含めた国内18、海外21のグループ会社に対し、世界の主要NGOの情報、メディア、SNS情報を基に人権リスクの有無を外部専門機関にて調査しました。その結果、注目すべきリスクは見当たりませんでした。今後も定期的に調査を行い、当社グループの人権リスクの調査を行ってまいります。

2. e-ラーニング受講者アンケートによる 潜在的な人権リスクの調査

2022年、潜在的な人権リスクについての意識調査として、当社グループ社員を対象にした人権e-ラーニングの実施に併せて、自身の業務や生活を通して感じている、人権に関する負のリスクについてアンケートを実施しました。

アンケートは、法務省人権擁護局が示す「企業が配慮すべき主要な人権及び企業活動に関連する人権に関するリスク」の25類型をベースに、回答する様式とし、類型別に当社グループ社員が感じている潜在的なリスクと負の影響を集計いたしました。

結果として25類型のうち「ハラスメント」が最も回答が多く、その対応として、相談窓口の体制充実およびe-ラーニングによるハラスメント教育を強化しました。

3. 海外主要拠点との 取り組み状況・課題の共有

海外主要拠点においては、「国連指導原則フレームワーク 自己評価チェックシート」を活用し、各拠点の進捗度を確認し、具体的な取り組み内容を共有しています。今後は、各国の法律や文化的背景も踏まえながら、取り組みの横展開を検討しています。

4. ステークホルダーとの対話

ステークホルダーとの対話に向け、関連部署での検討を実施し、昨今の人権に関する情勢の著しい変化や求められる対策範囲の拡大を踏まえた、人権デューディリジェンスプロセスや社内体制の発展的な見直しを行っています。

5. 対応の実効性の追跡調査

人権デューディリジェンスの取り組みの実効性の追跡調査としては、内部通報制度における人権関連の通報状況を確認しています。2023年度の人権に関する内部通報は7件であり、いずれも社内指導により改善いたしました。

6. 調達ガイドラインにおける人権尊重の明記とサプライヤー調査実施

サプライチェーンマネジメント」をご覧ください。

従業員向けの人権に関する研修・教育

UBEグループ人権指針のもとに、UBEグループ全体での人権教育推進体制を整え、継続的に人権教育を実施し、社員全員が人権について正しい理解と認識を持ち、あらゆる事業活動において一人ひとりが尊重されるよう取り組んでいます。2023年度も人権週間に合わせてUBE国内グループ全体でe-ラーニングを実施し、「ビジネスと人権」「人権デューディリジェンスとUBEの取り組み」の理解の浸透を図りました。

人権教育実績(2023年度)
e-ラーニング 1回 受講者数 7,042名(国内グループ。役員含む)
新入社員教育 1回 71名(UBE単独)
階層別研修 1回 受講者数 428名(UBE単独)

取り組み

人権に関する相談窓口

内部通報や業務報告等を通じて人権侵害の事実等が明らかになった場合は、速やかな是正および必要な社内処分等の措置を行い、当該事案については、経営層への報告、グループ内への周知等により、人権尊重への取り組みの改善と再発防止に努めています。なお、2023年度において、7件の内部通報がありましたが、社内での指導により改善しております。

取引先向けの人権に関する取り組み

UBEグループは、人権への対応を含む「UBEグループサステナブル調達ガイドライン」をすべての取引先を対象として策定し、強制労働、児童労働、人身売買を含むすべての非人道的行為を行わないことを明記し、サプライチェーン全体でも人権尊重に取り組んでいます。

UBEでは、主要取引先に対して同ガイドラインの内容に沿って定期的に行う調査を通じて、サステナビリティの観点からリスク評価を行っています。取引先とともに労働条件や人権侵害リスクなどの人権課題にも取り組んでいきます。

第4回のサステナビリティに関するお取引先調査では、人権に関する調査項目について一定レベルの取り組みや対策が実施されていることを確認しました。

詳細については、「サプライチェーンマネジメント」ならびに「第4回『サステナビリティに関するお取引先調査』の結果」をご覧ください。