社会 人財マネジメント

指針・基本的な考え方

UBEグループ人財マネジメント指針

私たちUBEグループは、企業価値の向上と社員の最大の幸福を実現するため、ここに人財マネジメント指針を定めます。

この指針は、UBEグループの人財について共通の価値観を表すものです。UBEグループの各社にはそれぞれの規則、慣習や人事制度がありますが、この指針はUBEグループの人財マネジメントにおける普遍的な考え方として、全世界のUBEグループ企業に適用されます。

  • (1)人財の多様性を重視し、それぞれの個性を尊重します。
  • (2)社員の創造性と自主性を引き出し、モチベーションを高めます。
  • (3)すべての社員に、専門能力を磨くための機会を提供します。
  • (4)公正な評価と報酬を目指します。
  • (5)多様な働き方を受容し、働きやすい職場環境の維持、向上を図ります。

スペシャリティ化学の成⻑を推進する人財戦略の基本的な考え方

(1)経営戦略と連動した人財戦略の実践

経営環境が急速に変化する中で、持続的に企業価値を向上させるためには、経営戦略と表裏一体で、その実現を支える⼈財戦略を策定し、実行することが不可欠です。

経営戦略と位置付けるスペシャリティ化学の成⻑を推進するため、グローバルに利益成⻑できる企業グループへの転換を目指し、⼈財戦略をレベル1〜5 の局面に整理して施策を推進します。

現中期経営計期間はレベル2にあたり、⼈財戦略の中核と位置付ける、DXによるキャリアオーナーシップ・マネジメントの構築を進めています。社員は自発的にキャリアを考え、自ら成⻑を実現する風土が必要であり、それを実行するための⼈事制度の構築や改善、環境整備を行っています。

人権デューディリジェンスプロセス
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(2)目指す人財像

2022年4月にUBEへと社名変更し、スペシャリティ化学への変⾰が求められる中、社員は会社が「求める⼈材像」になるのではなく、自らが自発的にキャリア形成する意識の醸成が重要となりました。そこで、UBEの成⻑戦略に必要な⼈財像を明確にするため、「目指す⼈財像」を新たに策定しました。

2024年度は「目指す⼈財像」を社員へ浸透させるべく取り組んでいきます。

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(3)スペシャリティ化学の成⻑を推進する人財戦略の基本的な考え方

目指す⼈財像を実現する事がスペシャリティ化学の成⻑を推進するための方策であると捉えています。会社と社員の関係は対等であると定義し、社員と会社各々がなすべきことを整理し、施策を設定してその実現を目指しています。

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マネジメント体制

人的資本マネジメント運営体制
人的資本マネジメント運営体制

目標と実績

1. 重点施策と進捗状況

属性・知・経験・価値観等、様々なバックグラウンドを持つ多様なメンバーが参画する組織ほど、変化を察知して新しい課題に気づき、イノベーションが⽣まれやすい風土になります。多様なメンバーが集まり活躍できる土台作りのため、⼈事領域のKPIを設定し、風土醸成に取り組んでいます。四半期ごとにUBEグループ全体で進捗を確認し、その結果を共有することでKPI達成に向けて取り組んでいます。

現中期計画の重点施策と進捗状況

人事領域のKPI(国内連結)
(年度) 実績 目標
2021 2022 2023 2024
女性管理職比率 3.3% 4.1% 4.6% 6.0%
女性社員比率 14.5% 15.0% 15.0% 18.0%
年休取得率 71% 74% 84% 95%
障害者雇用率 2.33% 2.70% 2.68% 2.70%
喫煙率 22% 23% 23% 20%

2. 社員との対話

UBEでは、経営トップ(社⻑)と社員との率直な意見交換を通じ、各部署の課題や今後の方向性に関する理解を相互に深める取り組みをしています。

2023年度は、より現場に近い管理職(チームリーダークラス)を対象に実施しました。(回数:13回、⼈数:73名)

3. 人事制度・人財育成

UBEは、環境変化に対応し、常に技術を革新し自己変革を行っていくという創業当初からの理念のもと、自律と自己責任に基づく成果の追求を志向しています。社員一人ひとりが使命や課題を自覚し、働きがいを持って仕事に取り組むことができるよう、社員に期待する役割を明確にし、成果を公平に評価する人事制度を導入しています。

若手ローテーションの活性化のため、対象資格者や年齢層の範囲を拡げた制度改定を行い、例外なく一律でローテーションの対象としています。また、2026年4月から65歳への定年延長導入を予定しており、60歳以前と変わらず働くという意識を形成し成果及び生産性向上に繋げる人事施策を今後展開していきます。また、社内副業に関してはアンケート結果から「応募したい」という回答が58%を占め、社員の高い興味があることがわかりました。このため、段階的に社内副業制度を開始しています。

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(1)人財育成

UBEでは、⼈財育成投資を拡充することで、成⻑と⾰新を担う⼈財の育成に取り組んでいます。組織内のコミュニケーションを促進するため、オンライン研修を主体としながら対面研修も一部取り入れ、効率化と効果の最大化を目指しています。

また、階層別研修において社外のeラーニングサービスを活用し、一⼈ひとりがキャリア自律に向けて自らの意志で成⻑し続ける風土づくりを行っています。

幅広い事業やグローバル化が進む環境で活躍できる人財を育成するため、

  • OJT(On the Job Training)
  • OFF-JT(Off the Job Training:集合研修など)
  • 自己啓発支援制度

を充実させるとともに、UBEで働く人すべてが職務を通じてそれぞれの能力を十分に発揮できるよう人財育成に積極的に取り組んでいます。

OFF-JTでは、外部環境の変化を反映しつつ、各階層・職務で求める能力を勘案した研修プログラムを実施しています。自己啓発支援では、通信教育や社内外の語学講座など、さまざまなプログラムを用意して社員の能力向上をサポートしています。

1人当たり人財投資額/1人当たり研修時間
(年度) UBE単独
2022 2023
一人当たりの人財投資額(OFF-JT)※1 12万円 15万円
一人当たりの研修時間※2 17時間 19時間
  • ※1算出方法:(教育研修費の合計金額+育成担当部署の労務費)÷UBE単独従業員数(該当年度末時点)
  • ※2算出方法:(集合研修の総受講時間+e-ラーニングの総受講時間)÷UBE単独従業員数(該当年度末時点)
研修体系概要
研修体系概要

(2)グローバル人財育成の強化

UBEにおいては、各事業で海外展開が拡大していることから、グローバルで活躍できる人財の育成を積極的に進めています。語学力の底上げのために、全社員を対象として資格毎に英語能力の目標値を定め、TOEIC受験を開始しました。また、海外トレーニーを立候補枠と部署推薦枠で⼈選し派遣しています。その他、異文化対応能力の強化とグローバルマインド育成を目的とするグローバルビジネスリーダー研修、海外経験機会の拡充なども積極的に行っています。

(3)DXによるタレントマネジメント

スペシャリティ化推進に必要な⼈財像(役割、スキル、知識、行動様式、マインド)を、以下の「10人財像」の通り定義いたしました。キャリアパスを「自分ごと」化して、事業目標達成に必要な⼈財を計画的に育成する体制構築に向け、システムを構築中です。

10人財像の定義
10人財像の定義

4. 働きがいの向上

これまでの取り組みにより、働きやすい環境は整いつつあります。今後は働きがいとワークエンゲージメント向上を重視した取り組みを推進します。「キャリア開発シート」を年に1回作成し、上司との面談を通じて社員一⼈ひとりが自律的にキャリアプランを考える風土を醸成しています。また、やりたい仕事に手を挙げて新たなキャリアを形成する機会として、ローテーション制度の充実や、社内副業のトライアル実施、社内公募による異動等、社員に対してさまざまな活躍の場を提供しています。

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5. エンゲージメント(社員満足度調査結果)の課題と対応

UBEでは、新職業性ストレス簡易調査票の指標を活用し、ワークエンゲージメントの推移を継続的に測定しています。2022年度からはプレゼンティーイズムを測定するWFunやK6も導入し、改善すべき集団とその課題を把握して、各職場の職制上司が状況を理解しやすい体制を整えました。課題解決のために、外部EAPと連携した対話型ポジティブメンタルヘルスワークショップを実施しています。また、労働組合にて実施している「幸福度診断」の結果も含め、労使協議会などで労使が共有しています。社員一⼈ひとりが尊重されていると実感でき、成⻑・帰属・貢献意識を感じられることで、イノベーションを創出しやすい組織風土の醸成を目指します。

ワークエンゲージメントスコアの推移
ワークエンゲージメントスコアの推移

6. 生産性向上分析

UBEでは多様な社員が能力を発揮できるよう、柔軟な働き方を可能とする環境整備を進めており、その結果として「労働時間短縮」を目指しています。また、働きやすさだけでなく、それが成果・⽣産性の向上につながることが必要であるという意識を共有するため、業績連動型賞与の指標に「1⼈当たり連結経常利益」を用いています。労働時間短縮と1⼈当たり連結経常利益の2つの指標向上が持続的な成⻑につながると考え、取り組みを進めています。

一人あたり連結経常利益と一人あたり総実労働時間
一人あたり連結経常利益と一人あたり総実労働時間
  • (注1)1人当たり連結経常利益は、機械事業およびUBE三菱セメント(株)の損益を除いて算出しています。
  • (注2)2023年度の数値はパートナー社員を含めています。