ガバナンス 危機対応

指針・基本的な考え方

UBEグループおよびUBEグループを取り巻く社会一般において発生した①自然災害、②感染症、③海外有事、④不祥事・その他危機という4つの事象について、危機対応委員会を設置し、UBEグループの事業運営に重大な影響を及ぼす危機への対応を審議・決定し、従業員の安全確保に取り組んでいます。

【グループ事業継続計画基本指針】

当社グループは、首都直下地震や新型感染症の蔓延等を事業運営における重大なリスクととらえ、これらに遭遇した場合における影響を最小限にとどめつつ、社員の安全とお客様や地域社会からの信頼構築を最優先に位置づけ、事業の早期復旧と継続を可能とするため、グループ事業継続計画(BCP:Bussiness Continuity Plan)の基本指針を定める。

1. 人命の安全確保

首都直下地震の発生や新型感染症の蔓延時等において、社員および関係者等の人命を尊重し、安全確保を最優先に行動する。

2. 事業の早期復旧と継続

事業継続に必要な資産の被害を最小限にとどめ、各事業の早期復旧と継続に努める。お客様や地域社会等の外部への影響を最小化し、当社グループへの信頼に応える。

3. BCP実効性向上のための平時の運用

平時におけるBCP教育や訓練を継続的に実施し、BCPの実効性を向上させる。

マネジメント体制

当社では「グループ危機対応規程」に基づき、全社横断組織としてCROをトップとした「危機対応委員会」を設置、定期的に開催し、危機対応への意識醸成や活動計画、BCPやマニュアルの見直しなどを行っています。また、下部委員会に「OCM(Overseas Crisis Management)幹事会」を設置、海外駐在員・家族の安全管理や海外拠点の危機対応を担当しています。

有事発生を想定した「事故・災害等発生時初動対応基準」を設け、発生事案ごとに対応メンバー・組織と役割をチェックリスト形式で策定するとともに、各事業所と本社担当を結ぶレポートライン(連絡網)も整備し、危機発生時における即応及び迅速な連絡体制を構築しています。

体制図
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危機対応委員会の役割

  • UBEグループおよびUBEグループを取り巻く社会一般において発生した以下4つの事象による、UBEグループの事業運営に重大な影響を及ぼす危機への対応に関する、基本的事項について審議、決定する。
    1. 自然災害
    2. 感染症
    3. 海外有事
    4. 不祥事・その他危機
  • この4つの事象に関して、UBEグループに対し、BCPをはじめとするマニュアル等の作成指示、とりまとめ及び管理を行う。また、有事発生時における全社的対応(仕組み)の検討、制定を行う。

OCM幹事会の役割

  • UBEグループに対し、海外治安情勢や感染症動向などの適時適切な周知を行うと共に、有事発生に備えた海外緊急時対応マニュアルを整備する。
  • 海外赴任予定者及び帯同家族に対し、赴任国治安情勢等の赴任前教育を実施し、海外赴任者・長期出張者の健康管理を継続して実施する。
  • コンサルタントによる海外拠点及び駐在員住宅の現地リスク調査を実施する。

目標と実績

特に首都直下地震や集中豪雨といった自然災害及び新型感染症の蔓延などを事業運営における重大なリスクととらえ、これらが発生した場合における影響を最小限にとどめつつ、社員の安全とお客様や地域社会からの信頼構築を最優先に位置づけ、事業の早期復旧と継続を可能とするべく、「グループ事業継続計画基本指針」を定めています。この指針では「人命の安全確保」「事業の早期復旧と継続」はもとより、「BCP実効性向上のための平時の運用」を主要テーマに掲げ、平時におけるBCP教育や訓練を継続的に実施し、BCPの実効性を向上させることにも注力しています。

首都直下地震に備えたBCPとして、本社在籍人員の対処方針や行動マニュアルをまとめた「本社 自然災害対応マニュアル」を定めるとともに、本社機能が機能不全に陥った場合、宇部事業所などの主要拠点に本社機能を移管し、指揮命令系統を早期に確立するための「災害対策本部」や、顧客対応を迅速・適切に行うための「緊急顧客対応センター」の設置についても定めています。また、感染症蔓延や工場大規模災害に備えた本社各部、各事業におけるBCPも策定しています。

これらのBCPの策定・見直しを通じて、自然災害や新型感染症の蔓延が発生した場合における影響を最小限にとどめつつ、社員の安全とお客様や地域社会からの信頼構築を最優先に位置づけ、事業の早期復旧と継続を可能とするべく、取り組んでいます。

取り組み

自然災害

危機対応委員会及び自然災害対策委員会を設置し、災害発生時の対応マニュアル等の整備、建物・製造設備の計画的な改修・強化、定期的な防災訓練、教育などを実施しています。また、早期に事業復旧を図る仕組みとして、自然災害発生時におけるBCPを策定し、定期的な見直しと訓練を行っています。特に発生の懸念が高い首都直下地震においては、「発生時の初動対応俯瞰表」を策定し、各事業所の発生直後~3日後までの行動要綱を周知しています。

感染症蔓延

「新型感染症対応マニュアル」を策定し、「未発生期」「海外発生期」「国内発生早期」「国内感染期」「小康期」の5段階に分けて対応を明示し、グループ内に周知するとともに、各事業所のBCPを定期的に見直し、感染予防策の徹底や感染者発生時の対応及び業務継続の手段や対応方針を定めて、状況に応じた機動的な対応を図っています。また、危機対応委員会では、国内外におけるパンデミックの状況や政府・自治体の対応・方針、当社グループにおける感染者発生状況等をタイムリーに情報収集し、適宜、従業員の感染防止のための行動・対応指針を発出する等、事業活動への影響を最小限とする 対応を実施しています。

海外危機対応(OCM:Overseas Crisis Management)

海外の政治・経済情勢の悪化、戦争・紛争・テロ等に伴う社会的混乱などに対し、海外事業展開における緊急事態に速やかに対応するため、危機対応委員会の下部委員会としてOCM幹事会を設置し、情報の集約や緊急時の対応等のマニュアルを整備、専門コンサルタントを有効活用するとともに、必要な情報の収集及び現地の各拠点との適時・適切な情報共有を行う体制を整備しています。更に、有事の際には対策本部を設置し、従業員の安全を最優先事項として迅速・的確な対応を図ることとし、コンサルタントによる海外拠点・駐在員住居の安全調査なども定期的に行っています。