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様々な強度を実現

高強度も、柔軟性も

ポリイミドは、トップレベルの耐熱性、電気絶縁性、機械的特性、耐薬品性を有するエンジニアリングプラスチックです。
その中でも水溶媒ワニスは、低温キュアが可能で柔軟な特性から、高強度な特性までグレードを揃えています
水溶媒 NMP溶媒
開発品① 開発品② 開発品③ UBE一般グレード
(UPIA®-AT)
ガラス転移温度(℃) 145 210 339 274
伸び率(%) 199 164 96 92
引張り弾性率(GPa) 1.9 3.2 4.6 3.7
引張り強度(MPa) 106 214 289 229
絶縁破壊電圧(kV) 6 6 7 8

水だから実現できる、
意外な組み合わせ

今、世の中では電子機器の高性能化が進み、材料の高機能化が求められています。
私たちは、水溶媒ポリイミドワニスを用いることで、NMP溶媒よりも容易に高性能材料の高濃度分散や汎用樹脂への機能付与が可能であることを見出しました。
複合材料として水溶媒ポリイミドを使うことで、様々な材料の限界を超えていきたいと考えています。

私たちと一緒に、
複合材料の可能性を模索していきませんか?

素材の限界を超えよう

水溶媒ワニス ×
カーボンナノチューブ

単層カーボンナノチューブは、帯電防止性、強靭性、電磁波遮蔽能を付与するための添加剤として非常に優れた特性を持つ素材として注目されています。繊維状構造を持つため、凝集が起こりやすく均一な分散が難しいというカーボンナノチューブの課題を、当社の単層カーボンナノチューブ分散液は解決します。

UBEのカーボンナノチューブ分散液の特長

高濃度液の実現

CNT分散濃度と粘度の相関
従来の分散液では、ハンドリング性の観点からCNT濃度0.4~0.6wt%が限界

一般分散液より粘度が低いため、ハンドリング性を維持しながら高濃度化が可能。当社分散液は、CNT濃度を1.0wt%まで高めても増粘しにくいことが特徴。

低コスト化

従来の分散液は分散コストの高さが課題。

一般分散液濃度0.4wt%に対し当社分散液濃度は1.0wt%であるため、重量単位あたり50~60%のコストカットが可能。

優れた保存安定性

分散液の安定性
時間の経過とともに分散性が低下し、増粘。

高濃度に分散しても時間経過による分散性の低下・増粘が起こらない、優れた保存安定性。
(NMP系ワニスで分散した場合、CNTの凝集がほどけず容易に沈降。)

例えば、こんな用途に使えます

EMIシールド

業界適用例
航空宇宙、自動車、電子機器
  • 人口衛星
  • 自動車
  • パソコン
  • スマートフォン
電磁波遮蔽能測定(KEC法)
電磁波遮蔽能例。CNTとして性能を良好に発現することを確認。

静電防止塗料

業界適用例
航空宇宙、自動車、電子部品、半導体
  • 人口衛星
  • 自動車
  • 半導体
CNT含有量と表面抵抗相関
CNT含有量が増えることで、材料の導電性が高まり、静電気を効果的に除去することを確認。

ポリイミドと分散させることによるメリット

ポリイミドだから、高い寸法安定性を得られます

高湿度環境がCNT膜に及ぼす影響について、CNT濃度20wt%のポリアミック酸分散液と、汎用樹脂CNT分散液を使用した場合で比較。
汎用樹脂分散液を使用したCNT膜は吸水や寸法変化が発生してしまうのに対し、ポリアミック酸分散液を使用したCNT膜は高湿度環境における変化が起こらず、高い寸法安定性を得られます。

CNT添加量 vs 弾性率
「高湿度環境における性能変化」をあらわした表

CNT高濃度分散液の詳細を知りたい方へ

サンプル・データ提供、新規用途のご相談もお気軽に

素材の限界を超えよう

水溶媒ワニス ×
汎用樹脂

水溶媒ワニスは、汎用樹脂など耐薬品性のない基材を傷めずにお使いいただけます。
また、低温で硬化するグレードもあるため、高温で変形してしまい加工が難しかった素材も、簡単に加工することができます。

水溶媒ワニスなら、PETフィルムへの塗工・熱処理も可能です

PETフィルムに水溶媒ワニスとUPIA-AT-1001を塗布した比較図。水溶媒ワニスでは良好な塗膜が得られ、UPIA-AT-1001では酸化やクラックが発生している。

PETフィルム×ポリイミドで寸法安定性が向上

PETフィルムだけでは熱膨張が見られるものの、ポリイミドを塗工することで、寸法安定性を向上させることを確認。

ポリイミドコーティング有無による熱膨張率比較

UBEでは、
様々な材料との組合せ・複合材料としての可能性を、一緒に追究してくれる企業様を募集中です

会社概要はこちら

環境や社会の課題を超えよう

環境にやさしいものは
性能で劣ると思っていませんか?

ポリイミド水溶媒ワニスは、溶媒が水であるため、環境や人体への影響を抑えることができるのはもちろんのこと、省エネルギーや基材の保護にも優れた製品です。また、水溶媒でもポリイミドの強度を失うことはなく、従来NMP系ワニスと同様の加工方法でお使いいただけます。

環境にやさしい3つのメリット

  • メリット1

    NMP不使用
    有機溶剤不使用のため、これまでの規制対策コストを削減可能。
    • NMP回収設備
    • 防ばく設備
    • 設備フィルター維持
  • メリット2

    低VOC
    ポリイミドの溶媒に一般的に使用されるNMPは、健康と環境へ悪影響。
    水溶媒ワニスは、NMP溶媒比約80%削減による、環境・健康への配慮を実現。
  • メリット3

    エネルギーコスト削減
    低温キュア(150℃ ~)によって、エネルギーコストの削減に寄与。

水でもNMP相当の性能を実感

性能・物性値
水溶媒 NMP溶媒
開発品① 開発品② 開発品③ UBE一般グレード
(UPIA®-AT)
膜厚(μm) 10 10 10 20
熱処理最高温度(℃) 150 250 350 350
固形分(wt%) 18 11 18 18±1
溶液粘度(Pa・s) 3.5 2.5 4.0 5.0±1.0
密度(103/m3) 1.10 1.10~1.11
保管条件(℃) ≦10 ≦10 ≦10 ≦30
ガラス転移温度(℃) 145 210 339 274
引張り強度(MPa) 106 214 289 229
伸び率(%) 199 164 96 92
引張り弾性率(GPa) 1.9 3.2 4.6 3.7
5%熱重量減少温度(℃) 574 592
絶縁破壊電圧(kV) 6 6 7 8

※膜厚20μmで測定

加工方法の一例

NMP系ワニスと同様、スピンコート法により製膜いただけます。

  1. ワニスを基材に塗布
  2. 回転により均一化
  3. 焼成し膜を硬化

発想の数だけ、広がる可能性
どんな用途につかえるか、一緒に考えてみませんか?

よくあるご質問

  • 他にどんな用途につかえますか?

    以下の用途への使用が想定されます。

    • マグネットワイヤー用絶縁被覆材
    • フレキシブル回路基板材料
    • 耐熱性塗料
    • 分散剤
  • 加工方法を知りたいです。

    以下のような加工方法が想定されます。

    • スリットコート:ワニスをスリットから基材に流延
    • ディップコート:基材をワニスに浸漬し、付着したワニスをロールで絞る
    • スプレーコート:ワニスをスプレーにより素材に直接塗布し、密着させる